海外で活躍する起業家たち!インタビュー    台湾編

十文字

十文字 誠

1957年生まれ。大学卒業後、通信機器メーカーでシステム設計に従事。官公庁向けの映像システム設計に数々の実績を残す。1999年、日本の新 幹線技術初の輸 出となった台湾新幹線プロジェクトの国際入札に、日本企業連合の一員として参加。2002年受注成功後活動拠点を台湾に移し、通信 (映像伝送)部門のプロジェクトマネージャ,台湾事務所長として台湾新幹線開通(2007年)を見届け、 2008年帰国。2010年同社退社後 2011年台湾へ移住。同年台湾初の本格ちゃんぽん店を台北市内に開店。 大学時代からセーリングを愛好し、国内外のヨットレースを転戦。1997年全日本選手権4位入賞。台湾駐在中にも沖縄からヨットレースで台湾入り したのが想い出。
会社:「横浜ちゃんぽん亭」 Facebook(会社):横浜ちゃんぽん亭 Facebook(個人):十文字 誠

Q1: 現在、どんなビジネスをされていますか?

台湾 台北市内でちゃんぽんのお店「横浜ちゃんぽん亭」をやっています。

Q2: 起業したきっかけは何だったのでしょうか?

元々私は電気メーカーのエンジニアで、2002年から2008年まで台湾新幹線プロジェクトの一員として現地に駐在していました。 その間台湾の歴史を学び、各地を旅して周り、台湾人,特に日本統治時代に教育を受けた日本語世代の方々の中に、 現代日本人が失った「ピュアな日本」のDNAが受け継がれていることを知り、強くこの地に惹かれました。 2008年に帰国辞令が出て、やむなく日本の本社へ帰任しましたが、そのとき「私は必ず台湾に戻って来る」と心に誓ったものでした。

その後2010年に31年間勤務した会社が希望退職を募ったので、それに応募して退社しました。 その時点で「台湾初の本格ちゃんぽん屋」の構想はあり、長崎に食べに行ったり、地元のおいしいちゃんぽん屋に修行に行ったりして、 準備を重ねていました。

2011年の大震災の後、台湾製の仮設住宅を被災3県に送り込めないか?との相談を受け、急遽台湾へ渡りボランティアで被災地と台湾の建築業界団体の コーディネータをやりました。実はそのころ、私が駐在員時代に住んでいたマンションの大家さんに再会したのですが、 この方が、昔から私が台湾でちゃんぽん屋をやりたがっていたことを覚えていて下さっていて、居抜の不動産物件を紹介して下さいました。 これが2011年の9月です。そこから後は嵐のような忙しさで、2011年11月の開店を迎えました。

Q3: なぜ、台湾で起業しようと思ったのですか?また、なぜ、そのビジネスを始めようと思ったのでしょうか?

台湾を一度でも訪れたことのある方でしたら、お判りになると思うのですが、ここは何と言っても世界一の親日国です。私達日本人が快適に過ごせるベースがあります。 さらに気候も人情も温かく、物価が安く、さらに「日本人」「日本製品」「日本文化」に尊敬の念と親愛の情,そして好奇心を抱いて下さる方が多いのです。
反面、そんな台湾ですから日本食と名の付くものは何でも揃っており、今から参入するのは余程の資金力か何か特徴がなければ厳しいでしょう。

しかしそんな台湾にもなぜか「ちゃんぽん」だけが無かったのです。

単に具だくさんラーメンに「強棒(チャンポンの当て字)拉麺」と名付けたものをラーメン屋さんがおまけみたいに出している所はありましたが、 これは日本のちゃんぽんとは似て非なるもの。麺も調理方法もラーメンでした。

そこで「台湾初の本格ちゃんぽん店!」を目指して、起業したのです。

Q4: 最初の起業資金はいくら必要だったでしょう?

いい居抜物件に恵まれ、室内の改装等自分でできることは全て自分でやったので、70万元(約200万円)でした。

Q5: 台湾の起業環境について教えてください。

飲食に限らず、日本人が「日本の○○」のキーワードで何かを起業しようとしたとき、基本的に台湾の皆さんは好意的に捕らえて下さいます。 さらに当店のように「台湾初上陸の日本の○○」みたいなステータスがあれば、好意+好奇心の追い風の中で起業しやすいと思います。 私も駐在員時代から常に「日本にあって、台湾にないものは何だろう?」と意識していました。

Q6: 台湾でビジネスを行う際に困ったことは何でしょうか?また、起業する際の注意点は?

困ったことは殆ど誰もちゃんぽんを知らないということです。これは台湾初のちゃんぽん屋なので、しかたがないのですが…

例は極端ですが、日本に初めてキリスト教を布教に来た、あのフランシスコ ザビエルの苦労が解る気がします。 台湾の製麺所にちゃんぽんの麺を発注したくても「それなあに?」状態で、困りました。 複数の製麺所に試作を繰り返させるにしても日本語の「もちもち感」って、北京語で何て言うんだ?と言葉の壁は高いですし、 試食会をやって、麺や味付けを決める際にも、そもそも本場のちゃんぽんを食べたことがない方々が試食する訳ですから、 「おいしい」と言われても手放しには喜べません。 とにかく開店するまでは、台湾でちゃんぽんが受け入れられるか本当に不安でした。

起業、特に飲食で起業する際の注意点としては、まず台湾と台湾人を深く考察することが必須だと思います。

例えば台湾は外食文化の国で、自宅にキッチンのない家が相当数あり、3食外食の人も多いのです。 しかし大卒の初任給は2万元代(8万円足らず)、バイトの最低賃金は時間給で100元ちょっとで、 日常食として1回の外食に割ける予算は限られて来ます。 従って飲食店に求めるコストパフォーマンスのハードルは高く、この追求に手を抜くと必ず開店後早い段階で痛い目に逢います。 自分のお店の想定顧客層を設定し、これに照らして出店場所から商品価格帯、店内内装などあらゆる要素の位置付けを揃えて 行くことが重要だと思います。(←口で言うのは簡単ですが、「台湾初のちゃんぽん店」だと、そもそも前例が無いので特に手探り状態です)

Q7: 起業してよかったと思うことは何ですか?

まだ開店してやっと1年のヒヨコですから、偉そうなことは言えませんが、まずは「人に使われる状態から逃れられた」ことですね。

何せ学校を出てから31年間、ずーっと1つの会社で人に使われ、組織の駒として生きて来ましたから。 今は全て自己責任。いろいろな局面で自らの「読み」と「励み」が売り上げに直結し、スリリングな日々を送っています。

Q8: もし、今のビジネス以外に新たに台湾でビジネスをするとしたら、どんなことをしたいですか?

今、ちゃんぽん屋の次に温めている構想があるのですが、具体的にはちょっと…

要するに台湾で「今」問題になっていることは、実は「過去」日本で問題になり、日本では既にその解決策が見出されている可能性が高いということです。 他に先がけてその解決策を台湾に移植すれば、最小限のリスクで最大限の結果が得られるはずです。

Q9: 最後に、これから起業しようと思う人たちへのメッセージをお願いします。

起業に限らず、若い人たちにはどんどん海外に出て、その地から振り返って日本を外から見る経験を積んで欲しいと思っています。 日本の政治も経済も先行きが見えない、この閉塞状態を打ち破る力を持った多くの若者が、海外に出たがらない「引きこもり」では、 益々日本の先行きが不安です。日本の若者が金なし,現地情報なしのまま国内で悶々としたまま、志を萎ませてしまうのはなんともったいないことでしょう!

起業は目的ではなく、あくまで自己実現のための手段です。

失敗を恐れずとにかく現地に飛び込み、自分の五感で情報を集め,発信し、自分でできることは人のために一肌脱ぎ、 やるだけのことをやって、それでもだめなら最後の最後に大きい声で「助けてくれぇ!」と叫べば、 台湾人と私達台湾在住日本人があなたを見捨てることは無いでしょう。私もそうやって多くの方々に助けて頂きました。

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台湾情報

首都:台北市
言語:中国語
人口:2324万人


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