海外起業家(アジア編) 海外起業家インタビュー

【海外起業家インタビュー】東南アジア・タイで人材派遣、通訳者派遣、出版ビジネス:前田千文さん

前田千文さんへのインタビュー

1975年山形県酒田市出身。高校卒業後、金融会社のOL経験を経て1998年日本語教師として来タイ。2001年2月、TJ Prannarai社を起業。企業活動を通じてタイ国と日本の架け橋になり 人々のより良い暮らしに貢献することがモットー。

ブログ: 女社長のバンコク奮闘記

Q1: 現在、どんなビジネスをされていますか?

現在は、タイでTJ Prannarai Communication Co., Ltd.(翻訳業)、TJ Prannarai Recruitment Co., Ltd.(人材派遣、通訳者派遣、出版業)を経営しております。

 

Q2: 起業したきっかけは何だったのでしょうか?

起業は2001年です。当初現地採用で働いていた際に、いつかは独立しようと考えていました。その際に、「一緒に会社を作ろう!」とお誘い頂いたのがきっかけです。

 

Q3: なぜ、タイで起業しようと思ったのですか?

来タイは1998年なのですが、この国は私にとっては性別、学歴などに関係がなく仕事が出来る環境だったことです。またこれから成長していく国で挑戦したいと思ったからです。偶然にもチャンスがあったことも大きかったと思います。

 

Q4: 最初の起業資金はいくら必要だったでしょう?

当初の資本金は200万バーツです。(現在は800万バーツ)
当時は、資本金の25%の払い込みで会社登記が可能でした。当時3人で会社を立ち上げたので、それぞれの出資割合に応じて出資しました。

 

Q5: タイでビジネスを行う際に困ったことは何でしょうか?また、起業する際の注意点は?

3人で立ち上げたのですが、結局は一人になってしまいました。

会社を立ち上げた半年後に1人がくも膜下出血で他界し、もう一人は2006年に独立したいと言われ出て行ってしまいました。また、このくも膜下出血で他界した方(男性)の奥様より訴訟を起こされ大変でした。 日本で生まれ育ったため、日本の常識や考え方と言うものがありますが、それがタイでは通用しないことです。全てをタイに合わせる必要はありませんが、ある程度の歩み寄りをしつつ、日本人としての長所を織り混ぜていき、それを現地スタッフに理解させると言う点は大変でした。操業当初は声を荒げたりすることも多々ありますが、現在では私もさじ加減と言うものが多少わかり、相互理解が進んだと思っています。

起業の際の注意点としては、会社を経営する以上、その国の法律、法令は知っておく必要があります。最初はわからないのは当然ですが、勉強し理解する必要はあります。 運転資金の確保と言う点では、今でも課題のひとつです。会社の売り上げがゼロでも社員には給料を支払わなければなりません。経営環境に問わず、安定した収益を上げることが課題ですし、それを創り出すのが経営者の役割だと思います。

 

Q6: 起業してよかったと思うことは何ですか?

自分の考え、意向が業績や企業風土にダイレクトに反映されることは良かったと思っています。

 

Q7: もし、今のビジネス以外に新たにタイでビジネスをするとしたら、どんなことをしたいですか?

今はお客様の多くが日本人で、日系企業がメインとしたビジネスをしておりますが、今後は「タイの人に使っていただき、タイの人に喜ばれ、そして長く愛されるサービスや製品を創り出したい」です。それをタイ人スタッフの手で創り出したいです。

 

Q8: 最後に、これから起業しようと思う人たちへのメッセージをお願いします。

「やる気、根気、前向きな心」があれば、いつでも誰でもどこでも起業できます。どんな環境でも自分を見失わず進むことが重要です。

会社員だった時と経営者になった時では、環境が180度変わってしまいました。付き合う友人も変わってきます。その変化を恐れないことです。 仕事をする中で、応援してくれる人も多いですが、妬み持つ人が多いのも事実です。それに屈しず自分の進む道を見据えて歩くだけです。 アドバイザーやメンターを持つことも良いですが、結局は自分次第です。せっかく起業するのだから、自分を既成の枠に当てはめず伸び伸びと経営をして欲しいです!

 

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