海外起業家(北米編) 海外起業家インタビュー

【海外起業家インタビュー】アメリカでギター関連製造販売ビジネス:堀場聡夫さん

堀場聡夫さんへのインタビュー

大阪生まれ。8才頃からは親の転勤で、引越しが多く、ずっと名古屋の近辺で育つ。大学時代からバンドを始め、 バンドをするためにいろいろなアルバイトをする。滋賀大学時代の1979年、YAMAHA主催のバンドコン テストMidland '79で ベストベーシスト賞を受賞。大学卒業後1980年から陶磁器メーカーの鳴海製陶に勤務し、ヨーロッパや中近東方面の貿易を担当し、 2年間取引先のNYの会社勤務を経験。1990年日本の電気部品メーカーに転職し、この会社のロサンゼルス支社の社長に従事。
2000年8月Prosound Communications Inc.を設立。
2001年2月 日本子会社設立。
1990年1月からロサンゼルス在住。

Q1: 現在、どんなビジネスをされていますか?

Prosound Communications Inc.という会社で楽器の製造販売の仕事を、アメリカと日本で行っています。
製造、販売拠点はロサンゼルスと東京にあり、販路はアメリカ、日本だけでなく、欧州、中南米、中国、アジア、中近東と全世界に持っております。

下記に弊社が取り扱う各ブランドのサイトを紹介させて頂きます。

“Xotic ”(アメリカで開発されるギター関連製品のサイト)
“EWS ”(日本で開発されるギター関連製品のサイト)
“Raw Vintage”(日本で開発されるヴィンテージ・ギター・パーツのサイト)
“Reality Web Video”(世界中の有名プロ・ミュージシャンのインタビュー、パフォーマンス映像を集めてたサイト、世界中の読者が毎日 3,000人以上見るサイトです。)

 

Q2: 起業したきっかけは何だったのでしょうか?

大学を卒業して以来20年間楽器業界とは無縁のところで仕事をしていたのですが、2000年の8月、日系企業のアメリカ販売子会社での経営も10年経ち、 1つの節目を迎え、それまでの経験を活かして自分で事業を起してチャレンジしたいと思っていました。そんな時期に良いパートナーと巡り合い、 学生時代から大好きだった音楽で起業できる糸口を見つけました。直ちに日本とアメリカの両方に会社を設立しました。

 

Q3: なぜ、アメリカで起業しようと思ったのですか?

仕事はずっと音楽とは無縁の業界にいましたが、学生時代にはバンドもやっており音楽は大好きでした。 音楽、楽器業界に20年以上経験を持つパートナーが見つかったので思い切って新天地での起業にチャレンジした訳です。 好きな音楽、楽器関連の仕事なので「好きこそ物の上手なれ」と思って続けてこられました。ロサンゼルスは音楽、 楽器業界の情報発進地でもあり、多くのミュージシャンの皆さんが住んでおられますので、地の利もあると思いました。

 

Q4: アメリカの起業環境について教えてください。

アメリカでの起業はやってみれば分かりますが、思ったより簡単です。ただ、起業した後それを続けるのが難しいです。
事業を続けていく強い意志と、その仕事が好きであるかどうかが重要だと思います。

 

Q5: アメリカでビジネスを行う際に困ったことは何でしょうか?また、起業する際の注意点は?

やはり好きとはいえ、音楽、楽器業界とは無縁の所に20年以上いましたので業界のことを知るのにちょっと時間がかかりました。 おまけに、事業を立ち上げた直後に、未曾有の不景気が続き、加えて音楽業界、市場が大きく変化しており今までの経験が役に立ち難いことも困惑しました。

現在は日本市場、アメリカ市場、ヨーロッパ市場とバランスが取れる様になって来ましたが、予想以上に時間がかかりました。

 

Q6: 起業してよかったと思うことは何ですか?

特に我々が関与している音楽、楽器はルーツがアメリカの物、ロック、ポップス、ブルース、ジャズ関係ですが、日本だと、 ある製品を持っていくと、「これはアメリカの誰が使っているの。日本の誰が推薦しているの?どのメーカーの製品?」ということから商談は始まります。 製品そのものの評価は2の次になりがちです。アメリカでは本人が試して良いものであれば、本物であれば、売れ始めるのは早いですね。 私たちは、日本の市場へは物を送るだけでなく、本物を自分で良いと言えるアメリカの文化も一緒に送りたいと思っています。

一方で、日本人として普通に常識的に行うカスタマーサービスがアメリカ市場では大変素晴らしいと喜ばれます。 日米双方の良いところを我々は打ち出すことができます。これで両方の国の皆さんの笑顔を見ることができた時に、起業して本当に良かったと思います。

 

Q7: もし、今のビジネス以外に新しくアメリカでビジネスをするとしたら、どんなことをしたいですか?

音楽、楽器関連の別事業もやりたいと思っていますが、自分の好きなことで、他社がこれまでやってこなかったユニークなことをやって、 世の中、業界に貢献でき、自分の存在価値があることを続けたいと思います。今後儲かりそうなビジネス?という切り口は取らない様にしたいと思います。

儲かるか儲からないかで始めた事業は長続きしない様な気がします。

 

Q8: 最後に、これから起業しようと思う人たちへのメッセージをお願いします。

失敗したとしてもまたやり直しができますから、若い方々で何かおもしろいアイディアを持っている人は、あまり諸先輩のまっとうな意見を聞かずに、まず起業してみることをお勧めします。 あまりにリスクを恐れていると何も出来なくなってしまいますので。これからは大手企業が受難の時代と思います。世の中が大きく変わっていくのにつれて、企業も否応なく、変化しなければならないので。 ところが、大きな企業はフットワークが良くないところが多いので小回りがききません。そこに隙間が生じますので零細企業や個人企業に、今後大きなチャンスが訪れる時代だと思います。

立ち止まらず、自分の行く方向、ゴールを決め、そちらへひたすら少しずつでも歩いて行けば、最後には目的地へ辿り着く、即ち、成功するのではないかと思います。 何が「成功」かも人それぞれだと思いますので、他人の言う「成功」に惑わされないことが大事ですね。

自分を知り、自然体で自分の信じる道を「初志貫徹」、これに尽きると思います。

 

 

-海外起業家(北米編), 海外起業家インタビュー