海外起業家(アフリカ編) 海外起業家インタビュー

海外起業家インタビュー(アフリカ・ザンビア編)小田精彰さん

小田 精彰(Tadaaki Oda)さんへのインタビュー

1970年5月8日、稼業である石油を10歳から手伝い、大学を卒業した後に石油の卸会社で、現場仕事を学ぶ。学生時から20代で多くの国家資格などを取得して、27歳で京都へ戻る。 バブル崩壊から相当な商売環境が悪くなり、2003年に株式会社小田石油の代表取締役に就き、その後車両販売事業やレンタル事業などを手掛ける。ガソリンスタンド業者が手掛ける車両事業として、 国内事業と国外事業に分けて経営革新計画を京都府に申請し、京都府知事に認められた。それにより計画していた時期よりも3年早めてザンビアに渡り、渡航した月の当月に「ODAOIL ZAMBIA LIMITED」のDirectorに就き、地方へ支店も出しながら、首都ルサカで営業。

会社:株式会社小田石油 おださんのパウンドケーキ
ブログ:小田石油社長ブログ

Q1: 現在、どんなビジネスをされていますか?

アフリカ南部のザンビアという国で、ザンビアで、石油製品並びに車両輸入と輸出、その他貿易を手掛けるODAOIL ZAMBIA LIMITEDという会社を経営しています。

 

Q2: 起業したきっかけは何だったのでしょうか?

メールの問い合わせで知り合ったザンビア人が日本へ来ることになり、そこでザンビアへ車両輸出することになりました。

その後、定期的に販売が見込めるようになり、さらに販売することと今後の市場を調査した中では、アフリカが良い点があり、日頃から 接点の多いこのザンビア人の母国で駐在員事務所の設立を目的にザンビアへ渡り、今回は調査目的だったのですが、信用を得る為に会社を起業することになりました。

 

Q3: なぜ、ザンビアで起業しようと思ったのですか?また、なぜ、そのビジネスを始めようと思ったのでしょうか?

現地に入国後、色々調査した中で、必要事項がでてきました。

1.銀行口座の開設 2.会社の設立

銀行口座の開設は、現地では法律が改正され、外貨で商業取引ができるものの互いの同意が必要です。但し、現地人は現地通貨を主に使っている為に、 日本へ送金する為には現地の銀行口座を開く必要がでした。次に、銀行口座を開設するにあたり、会社の設立が求められました。当初は、駐在員事務所として考えていましたが、 弁護士や税理士などと協力していただける方に相談していると会社の設立が望ましいと聞き、直ぐにその準備に入り、通常よりも早く登記することができました。

ザンビアの人口や貿易指標や経済指標を見ると、相当お金が動いていることが分かってきました。さらに、今後の人口増も期待でき、経済発展とともに、車両の需要が高まることは必然であると推測し、 さらに、信頼できる協力者との縁があり、日本に帰ってもザンビアの会社をコントロールできる可能性もあると確信したため、踏み切りました。

 

Q4: 最初の起業資金はいくら必要だったでしょう?

起業の資金は、相当使っていると推測されます。ただ、最初というのは非常に難しく、既に大口契約も纏まっているので、日本の会社がサプライヤーとなり、 ザンビアの会社が日本の会社から仕入れて販売している状況となっている為、他の会社よりも少額でスタートしていると思います。

9月に渡航する前に、車両を15台入庫させて、販売動向の調査していたが、直ぐに半分が販売できました。

また、パートナーのザンビア人が生まれ育った地域にはディーラーが無いため、当社がその地域での第一号となりました。 およそですが、500万円は当初の資金として考えていましたが、現状販売したことで現金が入り、それ以上は掛かっていません。

しかしながら、今後大口契約が定期的に決まっていくと推測できるので、一時的に資金が必要となる可能性があるため、 ざっくり、3000万円ぐらいは必要になる可能性もあります。

 

Q5: ザンビアの起業環境について教えてください。

現在、賄賂、癒着、横領が当然のように行われているが、現大統領はその慣習を払拭しようと努めています。

その為、色々な政策も講じており、国民が働く環境が整って来ています。また、雇用問題では、先日に最低労働賃金が職種によって異なりますが、 約1.5倍から2.0倍になりました。サラリーマンの国民は給料が上がると期待されて、消費が増大されます。しかしながら、経営者側は賃金が上がることによって、 雇用者をカットされることも考えられるので、相当厳しい状況でもあります。ただ、経済的にまだまだ未熟であり、電気も水道も厳しい環境である為に、 起業精神の持った企業人や起業人が機会を求めるなら、何でも可能と思われます。

一方で、全てが遅い国なので、日本のようなシステムを想定していると痛い目に遭い、さらに、弁護士や税理士などと良く相談する必要があります。

起業の問題として、事務所や住居の家賃の問題があります。

アフリカでも特に高い家賃がザンビアなので、安い場所では危険性もあるので、相当探すには苦労すると思われます。

 

Q6: ザンビアでビジネスを行う際に困ったことは何でしょうか?また、起業する際の注意点は?

小切手の決済には注意しておく必要があります。

銀行だけでなく、国自体にあまり現金が少なく、高額な取引の場合、引き出せない場合が多いです。 さらに、入金も遅くなる可能性もあるため、資金は余裕があった方が良いのと、最初は小さいビジネスからスタートした方が良いと感じます。

 

Q7: 起業してよかったと思うことは何ですか?

現在、240人の日本人の1人が小田精彰であり、日系企業で12社中の1社がODAOIL ZAMBIA LIMITEDであるので、その効果が大きいと思います。

親日派が多いので、誰でも親しくしてくれるのと仲間が少ないので、日本人同士は本当に親切です。 また、他のアフリカ諸国よりもかなり安全な国の一つと思われ、犯罪や暴動も少ないですし、大統領選挙も終わった今、この時期に起業して良かったと思います。

 

Q8: もし、今のビジネス以外に新たにザンビアでビジネスをするとしたら、どんなことをしたいですか?

勿論あります。しかし、それは企業秘密であるので、ここでは掲載できません。ただ、現地でじっくり考えると色々と見えてくると思います。 現在、車両の輸入が軸ですが、その他のビジネス展開を考えています。

 

Q9: 最後に、これから起業しようと思う人たちへのメッセージをお願いします。

ビビって何もしないより、行動して失敗すれば良い。多額の資本は必要ない、特徴を活かして、堂々と営業すれば彼らにもハートで訴えることができる。

また、日本人特有の英語が話せないからとか言い訳するが、言い訳するぐらいなら、国際人にはなれない。英語ができなくても商売なら、値段で勝負。 値段なら、紙に販売価格を書いて商談するれば良い。英語が話せないから商売ができないのは嘘。他国で商売している国際人は、凄くアグレッシブである。 そんな人たちに負けないようにするには、怖がらずに挑戦すれば道は拓けると思います。私は、それを信じて、今も睡眠2時間で仕事しています。

 

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